◆老子小話 VOL 426 (2009.01.10配信)
不如無事。
相逢不相識、共語不知名。
(臨済録、示衆)
如かず、無事ならんは。
相逢うて相識らず、
共に語って名を知らず。
のほほんとしているのが一番だ。
出会っても誰かわからず、
共に語っても名を知らず。
相手の上っ面を見て、態度や言葉を
変えるのはなく、自然体で接するのが一番。
上っ面は、衣である。
衣は、肩書きだったり評判だったりする。
そんな衣に惑わされ、真実が見えない。
だから、人と人の出会いにおいて、
名前や肩書きを言わず聞かずに、
出会いそのものを大事にすることである。
これは一期一会につながる教えである。
会った事を利用しようとするから、
衣を前面に出す。
ハローワークを訪れたどこかの首相は、
衣を脱いで来て欲しかった。
そうすれば失職した人の本音が聞けたものを。
身分・名前を語らないというと、ネットでの出会いもある。
でも、出会いはリアルワールドで行いたい。
出会いは、心と心の出会いだから。
記:有無相生