老子小話 VOL 424 (2008.12.27配信)

上善若水。

水善利萬物而不争。

処衆人之所悪。

(老子、第八章)

 

上善は水の若し。

水は善く萬物を利して争わず、

衆人の悪(にく)む所に処(お)る。

 

今年最後のお届けとなりました。

老子で終わろうと思います。

「水のように居ることが一番よい」と教える。

中国製餃子事件に始まり、世界金融危機に

終わる一年でした。

儲かることなら何でもやるという資本主義の

悪い面が次々に噴出したようです。

何か人のためにする職業の大切さが見失われ、

地道に働いていた人が切り捨てられる世に

なったようです。

本来なら行政が助けなければなりませんが、

人よりモノを重視するようです。

お役人や政治家こそ、「水のような存在」に

なるべきだと老子はいいます。

水は生き物(国民)に潤いを与えます。

国民が嫌がる低い所にいることで、

国民の生活の実態が見えてきます。

水は低い所に流れていきます。

今苦しんでいる人々に自然と目が向きます。

そんなお役人が何人いるのでしょうか。

天下りで余生を送ろうとするから、

企業や特殊法人に目が向いてしまいます。

自分の利益と国民の利益を秤にかけるわけです。

今こそ彼らに「老子」を学んで欲しいと思う。

 

記:有無相生

 

 

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