◆老子小話 VOL 416 (2008.11.01配信)

兵法、一曰度、ニ曰量、

三曰数、四曰称、五曰勝。

(孫子)

 

兵法は、一に曰く度、ニに曰く量、

三に曰く数、四に曰く称、五に曰く勝。

 

魏・呉・蜀の三国の覇権争いを描いた

映画「レッドクリフ」の公開初日でもあり、

「孫子」より挙げてみました。

度は戦場の大きさ、量は投入すべき物量、

数は人的資源、称は敵味方の戦闘能力、

勝は勝敗で、これら5つが戦いの基本と教える。

勝つとわかったときに戦いを始めるのが兵法です。

戦いを始めてから勝つ理由を探すのが敗者です。

いい例が、太平洋戦争におけるわが国の敗戦です。

勢いではじめ、息切れして負ける。

商売なら、度は市場の大きさ、量は製品や設備投資、

数は従業員、称は競争優位性です。

人生も言ってみれば高々80年の戦場である。

生涯に稼げる金(物量)も投入時間もほぼ決まる。

結局、人生で何を求めるか(度)を決めるのが大事です。

それによって敵が決まってくるからです。

同じ目標を持てば敵(競争相手)増えてくる。

勝つには、能力を磨き優位性を増すしかない。

兵法と違って人生の厳しさは、誕生と同時に

勝つと分からなくても戦場にほうりだされること。

老子は不争の教えを説くけれど、生きることが、

見えない所で誰かと争うようなものである。

勝った者は得たものを社会に戻すことを考え、

たまたま負けた者はくじけず生き続けることに

勝てばよいと考えれば、争いも苦にならない。

 

記:有無相生

 

 

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