◆老子小話 VOL 415 (2008.10.25配信)

君の内にあるもっとも優れたものを尊べ。(中略)

なぜならばほかの全てのものを利用するものが

君の内にあり、君の一生はそれによって

支配されているからである。

(マルクス・アウレリウス、自省録)

 

岩波文庫(神谷美恵子訳)から抜粋しました。

主体的に生きなきゃと勇気づけられる言葉である。

自分ではどうしようもない運で左右されるのが

人生だが、ともかく自分でボートを漕ぎ出さないと

新たな展開は望めない。

自分の内のオールを漕ぐパワーを発すればよい。

「生き方」や「心の癒し方」の情報は

外に求めることができるが、前に進むには

自分でやりださないと始まらない。

自分の外に優れたものを探すと

探すだけで疲れてしまう。

自分の内に探すなら、気が楽である。

結局それが自分の財産(資本)である。

自分の内にあるから、自然で無理が無い。

やって失敗しても諦めがつく。

身から出たさびである。

ローマ皇帝のアウレリウスがどんな状況で

この言葉を思ったのだろうか?

敗戦が続き自分を見失ったときの言葉か。

いろんな人からいろんな助言を受けたが、

前に進むかは自分の魂が決めると思ったのか?

老子も謂う、「彼を去りて此れを取る」(第十二章)。

「此れ」は内に自然に備わるパワー(魂、気)である。

 

記:有無相生

 

 

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