◆老子小話 VOL 413 (2008.10.11配信)

萬物所異者生也、所同者死也。

(列子、楊朱第七)

 

萬物の異なるところの者は生なり、

同じきところの者は死なり。

 

今週は、日本人のノーベル賞受賞の

ニュースが続き、景気落ち込みの中に

明るい灯火が輝きました。

宇宙にも生誕と死があります。

生誕の秘密に、粒子と反粒子の

対称性の破れがあり、其の解明理論に

物理学賞が与えられたようです。

宇宙(コスモス)の神秘と対照として、

生命(ミクロコスモス)の神秘がありますが、

細胞の変異箇所にくらげの発光たんぱく質を

くっつけると、微小ながん細胞が

見えるようになる技術の基礎を作ったことで、

化学賞が授与されました。

自然の解明のヒントが自然の中に隠されている。

金儲けに一喜一憂する人間もいれば、

自然の神秘の解明に一生心燃やす人間もいる。

人間に生きざまは様々異なるが、

共通なのは皆死んでいくことである。

生きる中で学ぶこと、それが一番人間らしいこと

ではないかと思いました。

儲ければ損する人がいること。

富裕ならば、貧困の人がいること。

創造されるものがあれば、破壊されるものがあること。

そういった表と裏を理解し、何をすべきかを考える。

科学・技術において国際平和において、

日本人の活躍はますます期待されている。

 

記:有無相生

 

 

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