◆老子小話 VOL 412 (2008.10.04配信)

悲観主義は気分によるものであり、

楽観主義は意志によるものである。

(アラン、幸福論)

 

「幸福論」(神谷幹夫訳、岩波文庫)の

P314の冒頭の言葉である。

この本は、誰かが昔推薦書にあげていて、

記憶の中に残っていて、去年の今頃

読んだものである。

「幸福とはすべて、意志と自己克服に

よるものである」と結論付けている。

米国の金融破たんに端を発し、

不景気、食料汚染など、悲観の種は

有り余る。食・住が危機に晒され、

国はあてになるどころか、輪をかけて、

不安を増幅させる。

そういう政府を選んだのは国民である

我々の責任であるとして、次に何をしたらよいか?

何とかなるとまず楽観する。

そして、投票により政府を変える意志と、

危機から自己を防衛する意志を持つことである。

読売新聞の最近の世論調査によれば、

88%の日本人が自分を幸福と感じている。

アランの言葉を借りれば、周りで暗い事件が

多すぎるので、事件の当事者にならないだけ、

自分は幸せなんだろかと感じる結果であろう。

つらい世の中の方が、自己克服のチャンスは

拡がるのだろうか?

「明るい国づくり」は政治にはできない。

国民がするものである。

 

記:有無相生

 

 

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