◆老子小話 VOL 406 (2008.08.23配信)

夢路には 足もやすめず かよへども

現にひと目 見しごとはあらず

(小野小町)

 

梅原猛氏の「百人一語」(新潮文庫)で

見つけた歌です。

女性の燃える恋心を歌っています。

「夢ではいつもあなたの所にいけるけど、

現実にはひと目会うことさえできない」

昔は、今みたいに女性が男性宅に通うことが

できなかったので、女性が歌で誘うしかなかった。

夢と現(うつつ)と言いますが、

夢の中で思い続けると、そのうち夢が叶う

というのは、うそではないように思えます。

スポーツ選手がイメージトレーニングして

その通りからだが動いて成功するように。

恋だって、イメージトレーニングは役に立つ。

体が自然に動く。

笑顔が自然にこぼれる。

言葉が自然に出てくる。

そのとき頭で考えた動きじゃなくて、

体が自然に心を表す動きとなって動く。

有数の美人の小野小町だって、

「こんなこといったら照れるなあ」と

プライドが勝っていたら、恋愛も成就しない。

「会いに行く」ことをイメージトレーニングして、

会った後の素直な気持ちを打ち明ける。

実際に会うことで交せる会話で思いを伝えたいと。

 

記:有無相生

 

 

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