◆老子小話 VOL 404 (2008.08.09配信)

危険思想とは

常識を実行に移そうとする思想である。

(芥川龍之介、侏儒の言葉)

 

偶々、色褪せた文庫本「西方の人・

侏儒の言葉」を書棚に見つけ、

そこから珠玉の言葉を拾った。

「常識を抜け出さない限り、進歩はない。」

その意味では、昨日の北京五輪開会式は

サプライズの連続であり、常識を超えた。

広い空間を縦横無尽に動き回るひと又ひと。

そして、竹簡から紙、活版、火薬、羅針盤の発明

という、中国文明の偉大さを見せつけられた。

ただ、火と光にエネルギーを使いすぎた感がある。

国の成長に燃え、エコには目が向かないようだ。

成長が中国の常識になったとき、その背後で

犠牲にされる人達への配慮が求められる。

日本もまた同然である。

経済成長により国民が救われるという常識は、

最早覆され、限られた資源や富をどのように

分配し活用するかが問題となってきた。

8月9日が長崎原爆投下の日であることが、

新聞の一面(日経・読売)には載っていない。

お祭り騒ぎの陰で、日本の貴重な体験を

忘れ行くメディアの怠慢を糾弾したい。

歴史を忘れる日本人を産むのはメディアである。

中国は、東トルキスタン、ウイグル自治区で

核実験を繰り返している。

他国に歴史を強調する国が、東トルキスタンを

侵略した自国の歴史を消し去ろうとする。

 

記:有無相生

 

 

戻る