◆老子小話 VOL 396 (2008.06.14配信)

詮ずるところ学問は、

ただ年月長く倦まずおこたらずして

はげみつとむるぞ肝要にて、

学びやうは、いかようにてもよかるべく、

さのみかかはるまじきこと也。

(本居宣長、うひ山ふみ)

 

江戸時代の国学者、本居宣長が

初心者の勉強の仕方を教えている。

最初は何が書いてあるかわからなくても、

長い年月読み返していくにつれ

少しずつ理解できるようになるので、

諦めることなく、毎日続けるのが肝要という。

才能がないとか、始めるのが遅かったとか、

勉強する暇がないとか、言い訳して途中で

止めちゃいけないよ激励する。

インターネットの無かった時代、学問は、

書と向き合い、文義を解することから始まる。

ハウツー本がはやる現代だが、

著者の言葉に正面からぶつかって

一生懸命その意味を理解しようとする

その過程が大切だと思う。

学びやう(勉強方法)は十人十色で、

自分にあったやり方でよい。

要は、自分が長く続けられる方法を

選べばよい。

宣長さんも、悩みつつ、言葉を選び

記したことが目にとれる、「うひ山ふみ」を読み始める。

まだ裾野を登り始めたばかり。

 

記:有無相生

 

 

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