◆老子小話 VOL 391 (2008.05.10配信)

波打ち際

それはありきたりの場所

歩みの始まるところ

Lugar Comum, Joano Donato and Gilberto Gil)

 

セルジオメンデスのアルバム「モーニングリオ」(Encanto)で

ドリカムの吉田美和さんが歌っています。

なかなか好い曲だと思いました。

国安真奈さんの訳詞も素敵で一部をご紹介しました。

Lugarは「場所」で、Comumは「ありきたりの」という

意味です。

波打ち際を素足で散歩すると心が癒されます。

波が寄せては帰っていく。

今ついた砂の上の足跡がすぐに消えていく。

水を含んだ砂はクッションとなって、

足を柔らかく包み込む。

海で生命が発生して、陸に上がった所が、

波打ち際です。

人間が歩み始めた場所かもしれません。

羊水に浮かぶ胎児が、海に浮かぶ生命なら、

波打ち際でこの世に生を受けるともいえる。

だから、波打ち際を歩くと、生の原点に帰ったような

気分になるのかもしれません。

素直な自分に帰れれば、見えなかったものが

見えてくるかもしれません。

波打ち際は、「歩みの始まるところ」。

ありきたりの場所ですが、人は皆そこから歩み始め、

そこに帰っていく。

老子の教えを暗示する場所のように思えます。

 

記:有無相生

 

 

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