◆老子小話 VOL 390 (2008.05.03配信)

七十者衣帛食肉、

黎民不飢不寒。

然而不王者、

未之有也。

(孟子、梁恵王篇)

 

七十の者は帛(きぬ)を衣(き)て肉を食い、

黎民は飢えず寒(こご)えず、

然り而して王たらざる者は

未だ之れ有らざるなり。

 

老人は、絹の衣を着、肉を食うことができ、

庶民が衣食住に困らなければ、

天下を治められなかったためしはない。

昔の中国ですから、70歳は老人になる。

若いうちに十分働いたのだから、

70になれば、ささやかな贅沢ができる。

積み立てた年金で味わえる贅沢である。

そういう老後を目指して、若者は食に飢えず、

衣住に困らない程度に働ける社会を作るのが、

政治の役目という。

しかし今の日本は、老人から年金をむしり取り、

医療費まで払わせ、ささやかな贅沢どころか、

最期まで地獄を味わわせる。

また、企業優先で、衣食住に困る低賃金の

若い労働者を量産する。

この若者の老後は、もっとひどい。

むしり取る年金すらない。

ガソリン税を上げる下げるの話でない。

政治は、国の根幹が国民の活力であることを忘れている。

りっぱなインフラ作っても、使う者がいなくなる。

 

記:有無相生

 

 

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