◆老子小話 VOL 386 (2008.04.05配信)

Where you stand depends on where you sit.

Miles’ Law in Murphy’s Law)

 

居座っている場所によって、意見が変わる。

「居座っている位置」は、立場・地位・職である。

ひとは現在の地位・職を守るため、

前の地位にいたときの意見などすっかり忘れて、

正反対の意見をいうことが多い。

政治家はその最たるもの。

道路特定財源の無駄遣いを批判していたのに、

国交省を担当すると、賛成に回る副大臣もいた。

意見を変えないと、政界では生き残っていけない。

子供のときは、大人は勝手なことをいうと反発したが、

自分が大人になると、責任ある立場から意見を

するのは当たり前と思ってくる。

「居座っている位置」からは、狭い世界しか見えない。

自分が立つ位置を少しずらすと違った世界が見える。

住んでいる場所、仕事する場所、くつろぐ場所。

それらの場所を固定化せずに、時々変えてみる。

非日常の世界に身を置いてみる。

その結果、物事の一面だけを見て発した意見が

狭いものだと気づくようになる。

「旅」は、場所を移動することでない。

見る位置を意識的に変える意志である。

旅の面白いことは、自分の意志とは別に、

新たな出会いがあり発見があるところである。

緑の季節に向け、なぜか旅立ちたい気持ちに

駆られている。

 

記:有無相生

 

 

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