◆老子小話 VOL 375 (2008.01.19配信)

労心者治人、労力者治於人、

治於人者食人、治人者食於人。

(孟子、勝文公上篇)

 

心を労する者は人を治め、

力を労する者は人に治めらる。

人に治めらる者は人を食(やしな)い、

人を治める者は人に食(やしな)わるる。

 

頭脳労働者は人を統治し、

肉体労働者は人に統治される。

統治される者は、統治する者を養い、

統治する者は、統治される者を養う。

 

「食」は、労働の結果としての生産物を提供すること。

いってみれば、資本主義社会の原理をいう言葉です。

資本家(統治層)は、資本(マネー)の増殖に心を労し、

労働者は(被統治層)は、その増殖のために力を労する。

統治層は、できるだけ安い資本で(労働)力を得ようとする。

グローバル化した市場競争のために。

そして、お役人は、この両者に対し税金を取り立てる。

一番気楽なのは誰か? それはお役人である。

資本家は破産しないよう、労働者は雇用を得ようと必死だ。

お役人は、破産もなく雇用の機会を失うこともない。

税金で入ってきたお金を、自分のため他人のため

どのように使うか考えればよいからである。

政治家は、本来お役人を管理する立場にある。

お役人の能力を最大限に活用し、国民生活を

安定向上するのが、政治だからである。

しかし、いまやお役人に管理される状況である。

何故そうなるのか?

政治も世襲制となり、政治の「心」を持たない、

無能な人間が司るからである。

 

記:有無相生

 

 

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