◆老子小話 VOL 374 (2008.01.12配信)

先行其言、而後従之。

(論語、為政第二)

 

先ず其の言を行い、

而(しこう)して後に、之に従う。

 

孔子は、政治家の基本的な態度を、

「意見を実行した後、発言すること」という。

有言実行ではなく、不言実行である。

政治家は評論家ではなく、結果で評価される。

これは、別に政治に限らず、会社でも同じ事。

口でかっこよいこと言ってても、実行できなければ、

政治の舞台から去らなければいけない。

でも、最近の政治家は、実行できないことまで、

公言する始末である。

挙句の果て、「そんなこと言いましたか?」としらを切る。

年金問題への対応は、まさにこれである。

民主主義の世だから、当選しないと政治家になれない。

従って、政治家になるまで、好き勝手を言う。

さらに実行できないと、他人のせいにする。

官僚が事実を隠していたからと。

自分で事実を調査する行動力が問われるのに。

国民には、政治家を選ぶとき、

「彼が何を為して来たか」を見て欲しい。

孔子は、「言に訥(とつ)にして、行に敏ならん」という。

政治家は、口が重く、俊敏な行動が必要という意味である。

国民は、うわべの能弁に騙されないようにしたい。

「知る者は言わず、言う者は知らず」(老子、第五十六章)

黙々と実行しているのが、自然の働きと老子はいう。

政治家の真の働きも同じように思う。

 

記:有無相生

 

 

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