◆老子小話 VOL 364 (2007.11.03配信)

人上寿百歳。

中寿八十。

下寿六十。

(荘子、盗跖篇)

 

人の最高の寿命は百歳。

程よく生きて八十歳。

短くて六十歳。

 

ご長寿様といっても百歳前後。

男の平均寿命が79歳、女85歳だから、

80歳前後で、二千年以上も前の荘子さんの

言は的を得ているようだ。

これからは年金制度は崩壊するかもしれないので、

実際百歳まで生きて幸せかどうかはわからない。

配偶者に先立たれ、友人・子供にも先立たれる。

自分だけが取り残された気分になる。

でも厳しい環境の中、天寿の方の生き様が、

長生きの教科書であり社会の財産である。

身体を動かし、無理をせず、何かに打ち込み、

自分のことは自分でするご老人。

NHKの「百歳バンザイ」という番組で、そんな姿を見た。

科学技術は、いまや不老長寿に向かって進んでいる。

果ては、遺体を冷凍保存して、未来技術で生命再生を

期待するビジネスまで登場している。

でも、寿命は結果である。

死ぬまでの毎日がどう充実しているかで、

人生の価値が決まる。

ひとそれぞれの生き方があり、

ひとそれぞれの結果がある。

どう転んでも、自分の味が出てくる。

 

記:有無相生

 

 

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