◆老子小話 VOL 362 (2007.10.20配信)
信言不美、美言不信。
(老子、第八十一章)
信言は美ならず。
美言は信ならず。
真実を語る言葉は、耳に痛い。
気持ちよく聞ける言葉には、
それなりの目的が見え隠れする。
友人や配偶者から発せられた痛い言葉が、
後になって、本当だったと気づく。
しかし、その時既に遅く、友情を失い、
離婚した後だったりする。
人間誰しも、真実をずばり指摘されると、
訳もなく反発したくなる。
このお守りや壷を買いさえすれば、
不孝から解放され、財が集まると
言われると、つい買ってみたくなる。
悪徳商法は昔から続き、いつの時代も
騙される連中は必ずいる。
化粧品のセールスは、肌を褒めることから始まる。
褒められて、悪い気持ちはしない。
しかし、歳とともに手入れをしないと、
その肌を維持できないと言われると
つい試してみたくなる。
生まれるということは死ぬことである。
でも、生まれた自分を不孝と思うか?
生まれた以上、精一杯生きたいし、
生かされている以上、感謝の念を抱き、
一度しかない生を楽しみたい。
記:有無相生