◆老子小話 VOL 360 (2007.10.06配信)

人而無遠慮、必有近憂。

(論語、衛霊公第十五)

 

人にして遠き慮(おもんぱか)り無ければ、

必ず近き憂い有り。

 

遠くまで配慮しなければ、

必ず身近で心配ごとが起こる。

このときの遠き近きは、

時間的空間的の物差しを意味する。

将来の問題を見据えて準備しないと、

今になった時点で、その問題が現実化する。

年金問題がそれである。

一方、海外で起こっている動向を

見過ごしていると、その影響は身近に起こる。

海外でトウモロコシがバイオ燃料に使われると、

小麦の値段が高騰し、国内で値上がりが始まる。

論語の教えと反対の考えもある。

遠くのことばかりに目を奪われる前に、

目先のことを着実に仕上げるというもの。

所詮、将来のことは読めないので、

今の時間をしっかり生きる。

人生は賭けのようなものだから、

今と将来に半々賭ければ、まあ安心できるか?

将来が長くないと思うなら、今に投資をし、

将来が長いと思うなら、将来に投資する。

しかし、人生の長さを決めるのは天道である。

将来の投資をどのくらいすればよいか、

定年間近で、積立て計画に悩む今日この頃。

 

記:有無相生

 

 

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