◆老子小話 VOL 357 (2007.9.15配信)
覆杯水於拗堂之上。
則芥為之舟。
置杯焉則膠。
(荘子、斉物論篇)
杯の水を拗堂(ようどう)の上に覆せば、
芥これに浮かびて舟にならんも、
杯を置くときは、そこにつかん。
堂上の窪みに、杯の水をこぼせば、
ごみは浮かんで舟になるが、
杯を置いても舟にならず、
底がつかえてしまう。
大物がそれなりの仕事を成すには、
それを支える有能な参謀が必要となる。
水は浮力を与え、重いものでも水に浮かべる。
水が少なければ、軽いものを浮かぶが、
重いものは浮かべず、水上を動くことができない。
安倍総理がくじけたのは、
荷が重過ぎて浮かばなかったのか、
浮かぶための水(支持者)が足りなかったのか?
自分が芥(小物)であろうが杯(大物)であろうが、
自分が浮かぶための水がないと、
思うように動けない。
政治家にとって、水は、
金か派閥か官財との癒着か?
いや、ある時は諫言し、ある時は進言する
有能な参謀が、水となる。
政策の実践で得られる国民の信頼でもある。
今度の総理は、どのような水の上に浮かぶのか?
記:有無相生