◆老子小話 VOL 348 (2007.7.14配信)

所悪於上、毋以使下。

所悪於下、毋以使上。

(大学、第六章)

 

上に悪(にく)むところ、

以って下に使うこと毋(な)く、

下に悪(にく)むところ、

以って上に使うこと毋(な)かれ。

 

目上の人について嫌だと思う態度は、

目下の人にしてはいけない。

目下の人について嫌だと思う態度は、

目上の人にしてはいけない。

 

他人の欠点はよく見えるが、

自分も結構同じことを他人にしている。

「最近の新入社員は、上司に報告をしない」

と嘆く管理職が、意外と上に報告していない。

権力を笠に着て、仕事を押し付ける上司の

批判をする社員が、その笠を利用して、

他の社員を動かそうとする。

上も下も関係なく、

「ひとのふり見てわがふりなおせ」である。

「他の違反車を放っておいて、

何故自分だけ捕まえるか」と文句をいう

スピード違反者に自分がなっていないか?

美しき国にせよ悪しき国にせよ、

その国を造るのは、選挙で一票を投じる

主権たる国民であることを自覚しよう。

投票所に行かずに、「自分ひとりが投票したって

政治は変わらない」と政治を嘆いてもしかたがない。

 

記:有無相生

 

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