◆老子小話 VOL 346 (2007.6.30配信)
愛重反為仇、薄極翻成喜也。
(菜根譚)
愛重ければ反って仇となり、
薄極まりて翻って喜びを成すなり。
愛情が重すぎると、
かえって仇となることがある。
それに対し、愛情が極めて薄くても、
反対に喜ばれることもある。
愛が重いと、心に負担をかける。
子供の将来を考えて、幼少から
塾通いさせる親が典型例だろう。
子供は、遊びたい気持ちと
親の愛情のはざまでプレッシャを受ける。
愛情なんて、年がら年中感じているものじゃなく、
必要なときに感じてもらえればよい。
愛は嫉妬を生むという。
愛が注がれるのを当然と思い込んだ人は、
愛が薄くなると、自分に関心がなくなったと
勘違いし、逆恨みする。
愛を薄くすることが、独り立ちを促すという、
愛であることに気が付かない。
愛は、それを注ぐ人とそれを受け取る人との
心の通い合いがあって初めて成立する。
それは、一気に成立するというより、
時間をかけて熟成される。
重すぎても、薄すぎても、ギクシャクする。
また、ひとの成長とともに、
愛の形は変わっていく。
記:有無相生