◆老子小話 VOL 342 (2007.6.02配信)

上而不下、則使人善怒。

下而不上、則使人善忘。

不上不下、中身当心、則為病。

(荘子、達生篇)

 

上りて下らざれば、

則ち人をして善く怒らしむ。

下りて上らざれば、

則ち人をして善く忘れしむ。

上らず下らず、身に中り心に当たれば

則ち病を為す。

 

気は身体の中をうまく循環していないと

病を引き起こす。

頭(上)の方に集まるといらいらし、

足(下)の方に集まると忘れっぽくなる。

胸のあたりに停滞すると、病に陥る。

気のエネルギーが一点集中すると、

その部分しか活性化されず、心身は疲弊する。

気功は、気を全身に循環させる動きのようだ。

気が全身にみなぎれば、身も心も元気になる。

世の中のお金と国民の活力の関係も、

気と健康の関係と同じに思える。

お金が、社会の富裕層(上)から貧困層(下)まで

循環すれば、国民が豊かと感じる社会になる。

現在は格差社会なので、富裕層でお金が循環する。

企業も貧困層の賃金を上げずに富裕層の利益を

優先するので、貧困層は酸欠状態になる。

この状況が続けば、社会が疲弊し、国力が衰退する。

その中で、年金記録の問題が出てきている。

最終的に、生きていくには自分しか頼れる者はない。

 

記:有無相生

 

 

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