◆老子小話 VOL 338 (2007.5.05配信)

花看半開、酒飲微酔。

<菜根譚>

 

花は半開を看、酒は微酔に飲む。

 

花は五分咲きを見、

酒はほろ酔い気分で飲む所に、

何ともいえない趣がある。

 

しかし、適当な所で止めるのが一番難しい。

行き着く所まで行ってしまい、趣を台無しにする。

満開の花を見ながら、泥酔するのが落ちである。

なぜ中途半端な位が丁度よいのであろうか?

絶頂の時点を過ぎると、後は衰退の一途である。

「どんな花が咲くのだろうか?」と、

咲き乱れる様子を思い浮かべて見る所に、

こころの働きがあり、趣がある。

酒だって、腹に沁み始める時が一番うまい。

その時、食事を一番おいしくさせてくれる。

絶頂に至るプロセスを味わう所に夢がある。

最後まで見てしまうと、幻滅も出てくる。

男女の付き合いもまた同じこと。

恋愛時代は緊張感があってよいが、

結婚すると、互いの粗が見えてくる。

そう思ったとき、「今は半開だ」と思い直そう。

微酔を続けるか、泥酔に至るかは、

自分たち次第である。

まだ先は長いし、一気に花は咲かない。

 

記:有無相生

 

 

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