◆老子小話 VOL 337 (2007.4.28配信)

無恃其不来、

恃吾有以待也。

<孫子、九変篇>

 

その来たらずを恃(たの)むこと無く

吾の以って待つ有ることを恃むなり。

 

敵が来ないことを頼りにするのではなく、

何が起きても備えがあることを

頼りにすべきである。

 

戦い上手の教えである。

いわば、リスク管理の原則ともいえる。

例えるなら、地震が起こらないことを

願うのではなく、起こったときに慌てない

準備をこころがける。

マーフィの原則にもあるように

"If it can happen, it will happen."

「起こる可能性のあるものは、必ず起こる」

起こらないことを願っていても仕方がない。

「変化するには、思い切りが必要」と

先週申し上げた。

人生に変化は必ず起こる。

変化を待ってからどうするか考えるのではなく、

変化が起きたときの備えのもと、

思い切って変化に飛び込むという意味である。

生きるということは、一回限りの戦いである。

勝ち負けは、己の価値観によって異なる。

最後に悔いのない人生だったと誇れる

生き方がしたいのは皆共通している。

 

記:有無相生

 

 

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