◆老子小話 VOL 325 (2007.2.03配信)

若使天下兼相愛、

愛人若愛其身、

猶有不孝者乎。

<墨子、兼愛上篇>

 

若し天下をして兼ねて相愛し、

人を愛すること其の身を愛するが

若からしめば、

猶お不孝の者有るか。

 

もし、世界中の人に、

自他を区別せず愛し合い、

自分を愛するがごとく、

他人を愛するようにさせたならば、

不孝の者など出てこない。

 

近作映画「墨攻」で目に触れるようになった

墨子だが、兼愛が人間関係の基本と教える。

ひとが生まれ落ちて、無償の愛を感じるのは、

親と子の関係といえる。

その関係が、成長の過程で、

家族、友人、社会と広がっていく。

思いやりは、他人を自分のように

思うことから生まれる。

余計なお節介と思うときもあるだろう。

しかし、世の中、ひとりだけでは生きられない。

愛されたいならば、愛することである。

それを教えるのが家庭で、

家庭が教育を支え、

社会を支えるといっても過言ではない。

 

記:有無相生

 

 

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