◆老子小話 VOL 322 (2007.1.13配信)

人莫鑑於流水。

而鑑於止水。

<荘子、徳充府篇>

 

人は流るる水を鑑(かが)みとすることなく、

止(しず)かなる水を鑑(かが)みとする。

 

流水の水面は絶えず揺れるので、

物の姿をそのまま映さない。

従って、鏡としては使えない。

止水は静止した水面で

物体からの光を反射するので、

物の姿をそのまま映す。

この水の有り様を己の心にたとえてみる。

心を止水のように落ち着ければ、

今まで見えなかったものが見えてくる。

心を鏡にすることが、

物事の本質(真実)を観るコツとなる。

相手の言動や行動で、

己の心が乱されると、

誤った反応をしてしまうのが人間である。

納豆ダイエットが放映されれば、

納豆が品薄になる。

適度の運動と栄養のバランスが

健康には大事なのに、

体重を落とすことに躍らされる。

 

記:有無相生

 

 

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