◆老子小話 VOL 321 (2007.1.06配信)
激水之疾、至於漂石者、勢也。
<孫子、勢篇>
激水の疾(はや)くして
石を漂(ただよ)わすに至るは、
勢なり。
激流がはげしく流れて
重い石をあたかも軽石のように
浮遊させて押し流すことができるのは、
勢いがあるからである。
新年あけましておめでとうございます。
2007年初めのお届けです。
いのしし年にちなんで、勢いをテーマにしました。
勢いに乗れば、予想も付かない力を
出すことができるというのは、誰しもが一度は
経験していることではないでしょうか。
勢いがつくと、プラス思考になって、
物事がうまく回り始めます。
しかし、調子づいて気まで緩ませるのは
戒めなければなりません。
孫子は、これを「節」と呼ぶ。
勢いをつけて蓄えたパワーを
一点に集中させることです。
勢が動なら、節は静です。
心を静にしてじっと狙いを定める。
戦いに勝つノウハウは、
緩急をうまく利用して、
蓄えたエネルギーを
もっとも必要な時と場所に
集中させることのようです。
記:有無相生