◆老子小話 VOL 317 (2006.12.09配信)
道可道非常道。
<老子 第一章>
道の道とすべきは、常の道ならず。
これが道であるといえるような道は
永遠不変の道とはいえない。
TaoChatのTaoは、道(たお)のこと。
これが道であると決めつけてしまうと
これからの道を狭くすることになる。
過去の道は変えられないが、
将来の道は、命の限り、自分の選択に任されている。
「こがらしや覗いて逃ぐる淵の色」(蕪村)
冬の野道に吹きすさぶこがらし。
そのすさまじさを詠っている。
目に入る全ての輪郭の色を吹き去ってしまう。
「覗く」は、目を開けていられないほどの風の勢いなのか?
「逃ぐる」は、淵の色さえ運び去ってしまうのだろうか?
あるいは、涙で視界が霞んで淵の色がぼけてしまうのか?
人生を道にたとえるが、こがらしの道であっても、
蕪村のように、「淵の色を見ている自分」を
冷静に見つめる自分を持っていたい。
不変の道は未知である。
記:有無相生