◆老子小話 VOL 311 (2006.10.28配信)
其美者自美、
吾不知其美也。
其悪者自悪、
吾不知其悪也。
<荘子、山木篇>
その美しき者は自ら美しとす。
吾その美しさを知らざるなり。
その悪(みにく)き者は自ら悪きとす。
吾その悪きを知らざるなり。
旅館のおやじに二人の妾がいて、
一人は美人、もう一人は醜女だった。
美人の方は自分は美人とうぬぼれていて、
醜女は自分の醜さを自覚している。
おやじは、醜女を可愛がり、
美人を卑しんでいる。
「男性も見かけが大事」と言われる昨今、
こころより見かけだろうと思う人もいるかも
しれません。
でも、容色はいずれ衰え、美しさを保てるのは
こころの美しさです。
己の優れたところを意識せずに振舞えるとき
本当の美しさが生まれてくる。
その美しさは、周りの人が感じてくれればよい。
記:有無相生