◆老子小話 VOL 309 (2006.10.14配信)
為鼠常留飯、
憐蛾不点燈。
<菜根譚>
鼠のために常に飯を留め、
蛾を憐みて、ともしびを点ぜず。
蘇東坡の詩から採っているとある。
ねずみが飢えないように
ご飯を残しておいてやり、
蛾が火に飛び込まないように
あかりをつけない。
このような心のゆとりと
生き物に対する思いやりを
持ちたいものである。
アルミサッシで外界から仕切られた
今の家では、こういった生き物と同棲
しているという意識が薄れてくる。
我が家には、体長3cm位のヤモリの
子供が同居していて、
知らぬ間に壁に張り付いている。
どこから出てきて、どこに帰っていくのか
わからない。
かわいい顔と姿は愛嬌がある。
指で捕まえて腹を持ってみると
柔らかく、そして暖かく、
粒のような心臓が鼓動している。
小さな魂と共に毎日生きている
と思うと、何故か嬉しくなる。
記:有無相生