◆老子小話 VOL 299 (2006.8.05配信)
まだ立たぬ波の音をばたたえたる
水にあるよと心にて聞け
<沢庵和尚>
穏やかな水面を見て、
これから起こる怒涛の波の音を
心に聞け
この句は、松原泰道先生の「般若心経入門」
の中で見つけました。
穏やかな波はいつまでも穏やかでない。
突如、荒れ狂った波に変わることもある。
世の中の無常の在りようを心の耳で聞けという。
人生とは、そもそも波乱であるはずのもの。
波乱の中で生き抜くためには、
自然の変化に己の人生を見ることができる
心の余裕というか静寂を保つことであるという。
江戸時代の和尚さんの言葉ですが、
今の我々にも勇気を与えてくれる。
記:有無相生