◆老子小話 VOL 298 (2006.7.29配信)
以人悪有其美也。
<荘子、人間世篇>
人の悪しきをもって
其(おのれ)の美を
有(ほこ)るなり。
人の欠点を挙げて、おのれの
長所を自慢する。
競争社会では、するのが当たり前の
ことで、何が悪いのという人もいる。
商品の良さをいうために、他社の
商品の欠点をあげつらう。
他を落とし込めて、自分が這い上がる。
自分の生き残りを懸けて、
他人に無理強いするあまり、
他者(あるいは他社)への思いやりを忘れる。
弱肉強食の結果、格差が広がっていく。
荘子さんは、こんな相対的な競争を忘れ、
もっと絶対的なものを目指せという。
人の社会にもっと役立つこと、地球の
環境にもっと役立つことを目指すのが、
誰からも尊敬される者の生き方という。
日頃はちまちました事に心奪われるが、
夏休みには、雄大な自然の中で、
長期的なライフプランを考えてもよいかも
しれません。
記:有無相生