◆老子小話 VOL 295 (2006.7.08配信)
何不慮以為大樽。
而浮乎江湖。
而憂其瓠落無所容。
<荘子、逍遥遊篇>
何ぞこれ以って大樽を為(つく)りて、
江湖に浮かぶことを慮(かんが)えずして、
その瓠落(あさくひらた)くして
容るる所無くきを憂うるや。
ばかでかい瓢箪があったらどうするか?
水筒に使えば重すぎて持ち上げることが
できない。割って、ひしゃくとして使えば
平たくて水がこぼれてしまう。
結局、役立たずの無用の長物だと答える。
これに対し、荘子は、大きな樽を作って
河や湖に浮かべて、大自然の中で
自分の心と体を遊ばせればよいと考える。
役立たずと考えるのは、自分の心が
狭い証拠ではないか?と問いかける。
先日、ぶなの自然林を散策してきました。
ぶなは、木偏に無と書き、無用の木と
思われてきました。
しかし、その生態系には、人間が学ぶところ
が沢山あります。 また、林の中の自然は、
ひとの心を癒してくれます。
「無用の用」である。
記:有無相生