◆老子小話 VOL 293 (2006.6.24配信)
凡人心険於山川、
難於知天。
<荘子、列御寇篇>
凡そ人の心は山川よりも険しく、
天を知るよりも難し。
文字通りです。
人の心は、表面上とその奥底では
山川の険しさを超える落差がある。
天を知るより難しい。
外見はおとなしく素直に見えた子供が
とんでもない行動に出る。
心の底では、不安と憎しみが渦巻いていた。
人の上に立つ者は、人の心の機微に
敏感でなくてはならない。
表では納得しているように見えるが
心の底で不満に思っていないか、
絶えず気を使って、探りを入れることが
大切であると教える。
事件が起こってからでは遅すぎる。
問題探知の感性を磨こう。
記:有無相生