◆老子小話 VOL 291 (2006.6.10配信)
寒けれど 二人寝る夜ぞ
頼もしき
<芭蕉、笈の小文>
夏間近というのに寒い冬の夜の
句はないでしょうとお思いになるかも。
男と女の添い寝なら、
二人抱き合うだけで眠りに落ちる。
男同士寝ることになっても、
心細い気持ちは一緒にいるだけで
癒される。
シングルの男女が多くなり、
少子化が取りざたされる昨今、
かような句は、心の問題を提起する。
独身生活に不便を感じないにしても、
寒い夜に一緒に寝てくれる伴侶が
いれば心は救われる。
陰と陽が互いに引き合いながら
情の生成消滅を繰り返すのが
人の道といえようか?
記:有無相生