老子小話 VOL 282 (2006.4.08配信)  

人莫鑑於流水。

而鑑於止水。

唯止能止衆止。

<荘子、徳充符篇>

 

人は流水を鑑(かがみ)とすることなく

止水を鑑とする。

唯、止(しず)かなるもののみ能く、

もろもろのしずかならんとするものを

しずかにするなり。

 

流水を鏡にしても、水面が動くので

自分の姿をうまく映してくれない。

止まっている水の静かな水面こそ

真の姿を映してくれる。

時流とともに変化する価値観では、

真の姿はとらえられない。

不変の価値観で見なければいけない。

古典を読むと、その価値観に触れる

ことができる。

数千年前の人間の知恵が現代に生きる。

老荘亦然り。

 

記:有無相生

 

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