◆老子小話 VOL 275 (2006.2.18配信)  

指窮於為薪、火傳也。

不知其尽也。

<荘子、養生主篇>

 

窮(つ)くることを薪に為(すす)むるに指さすも、

火は伝わるなり。

その尽くるを知らず。

 

薪は火にくべると燃え尽きてなくなるが、

火は薪が有る限り、薪に燃え伝わっていき、

無くなるものではない。

 

薪を個々の人間の命、火を人類の生命と知と

考えると理解できる。

一人の命は消え果ても、命は次の世代に

引き継がれていく。

人一人の死は悲しいが、一人の命が

残された命に伝わっていくという思いが

去り逝く人の生き方、および

残された人の生き方を決める。

オリンピックは、戦争ではなくスポーツで、

本来の闘争心を満たそうという祭典である。

聖火は、五大陸に生きるの生命のリレーで、

消えることなく開催地に運ばれる。

オリンピックに表れる平和希求の火を

消さないように、一人一人が何をすべきか、

考えされる言葉でもある。

 

記:有無相生

 

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