◆老子小話 VOL 271 (2006.1.21配信)  

得生人道難、

生寿亦難得。

<法句経>

 

人道の生を得るは難く、

生寿もまた得るは難し。

 

人生において、出発点である生を

得るということは有り難いことである。

生をまっとうすることも

又有り難いことである。

 

気がついたときに自分がいた。

自分が赤ん坊の時を思い返すと、

視界に入る映像を見て、そして

囁きかける音を聞いて、自分が

どんな存在なのか次第に気づいたようだ。

自分が人として生まれたことは

有り難いことである。

色んな偶然がたくさん重なって、

今の自分が存在する。

生を与えてくれた恵みに感謝の気持ちを

持ちなさいという。

そして、今行き続けていることに感謝の

気持ちを持ちなさいという。

生きていることは当たり前ではない。

この世の恵みに支えられて生きている。 

それを忘れたとき、思い上がりが生じる。

自分さえよければという思い上がりが、

最近の事件を引き起こしているように見える。

雪の朝に感じたことである。

 

記:有無相生

 

戻る