◆老子小話 VOL 265 (2005.12.10配信)  

天上天下、唯我独悪。

<柳宗悦>

 

てんじょうてんが、ゆいがどくあく。

 

今日は、柳宗悦論集の中の「妙好人の存在」

から、言葉を拾います。

「天上天下、唯我独尊」は、お釈迦様の言葉

ですが、独悪の方は造語です。

この2つは正反対のことを言っているのではなく、

同じ事を言っていると柳宗悦さんは考える。

「この世に自分ほど悪い者はいない」と

悟ることが、自分を放棄することになり、

「南無阿弥陀仏」を唱えることである。

南無とは、「命を投げ出す」こと。

自力で歩くか、他力で歩かせていただくか、

そう大差はないと考える。

自我への執着を捨て、救いを得る点では

同じだから。

 

記:有無相生

 

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