◆老子小話 VOL 261 (2005.11.12配信)
衰栄無定在、
彼此更共之。
<陶淵明>
衰と栄は定在なく、
彼此(ひし)、更(こも)ごも、
之を共にす。
陶淵明の詩「飲酒」其一の
頭の一節です。
落ち目になったり、勢いづいたりしても、
長続きすることはない。
あの人もこの人も、皆、このことを経験する。
「老子」の「有無相生ず」と同じです。
勢いで考えれば、勢いがなければ
衰退し、あれば栄えます。
でも、勢いは、有と無を繰り返すのが常です。
それを知らずに、一喜一憂するのは、
愚かなことといっています。
「彼此更共之」といっているところがいいですね。
人間、他人の栄を見て、羨み、
他人の衰を見て、哀れみます。
でも誰だって、皆同じだよと語りかけます。
マイペースでやれば、栄と衰の波乗りも
また楽しいでしょう。
記:有無相生