◆老子小話 VOL 256 (2005.10.08配信)  

天之蒼蒼、其正色邪。

其遠而無所至極。

其視下也、亦若是則已矣。

<荘子、逍遥遊篇

 

天の蒼蒼たる、その正色か。

其の遠くして至極する所無きか。

その下を視るや、亦是の若きならんのみ。

 

「空が青々としているのは、本来の色なのか?」

2000年以上も前の荘子が自問し、

「無限に遠いためなのか?

空から見下ろしても、青々と見えるのだろう。」

と自答する。

青く見えるということは、青い光が目に飛び込む

からで、太陽光線が大気を通過するときに、

微粒子(水蒸気やチリ)にぶつかって散乱される。

中でも、波長の短い青色が散乱されやすく、

空に散らばることから、空が青く見える。

青い光はすべての方向に散乱されるので、

宇宙から見ても青く見える。

青い光を散乱する微粒子を撒き散らすのが、

大気の流れ(風)であり、微粒子を作るのが、

生命の営みである。

青い地球が、「地球が生きている証拠」といえる。

荘子は、この大自然の営みを既に悟っていた。

 

記:有無相生

 

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