◆老子小話 VOL 252 (2005.9.10配信)  

有とおもふも、かくれぬれば無也。

又無とおもふも顕るれば有なり。

さあれば、有無はたゞかくれ

あらはるゝ也。

<兵法家伝書>

 

(うとおもうもかくれぬればむなり。

またむとおもうもあらわるればうなり。

さあれば、うむはただかくれあらわるるなり)

 

柳生新陰流の祖、柳生宗矩の書からの

引用で、老子から無為を学んでいます。

「活人剣」の「有無の拍子」です。

剣をもって人に勝つには、見えるものに

合わせて剣を操るのではなく、隠れている

ものに合わせないとだめという。

隠れているものに対し先手を打てるから

人の剣より先に己の剣を切り込める。

剣の百手を学んでも、これに勝るものなし。

剣の道だけでなく、商の道、政の道、教育の

道などにおいても、この考えは活かせます。

無為とは積極的な生き方です。

 

記:有無相生

 

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