◆老子小話 VOL 248 (2005.8.13配信)  

涼しさや 鐘をはなるる かねの声

<与謝蕪村>

 

(すずしさや かねをはなるる かねのこえ)

 

蕪村の夏の句です。

「マトリックス」の映画の場面のようです。

音波は、空気の波動です。

鐘の音が音源の「鐘」から耳に入るまで、

時空を超えた一連の波動が凍りつく瞬間を

見ています。 波動が凍りつくと音の粒になる。

音を粒として視覚的にとらえている心身の集中が

涼しさを誘うのでしょう。

俳人であり画家である蕪村の、一瞬を一幅の絵に

仕上げる技に感動しました。

 

記:有無相生

 

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