◆老子小話 VOL
1262(2025.02.01)
Always do sober what you said you'd do drunk.
That will teach you to keep your mouth shut.
(Ernest Hemingway)
酔ってやると言ったことは必ずシラフでやりなさい。
そうすれば口を閉じていることを学ぶでしょう。
今回の言葉はヘミングウェイからよりいただきます。
soberはシラフで、drunkは酔った状態です。
人は酔った状態では気持ちが大きくなり、大口をたたきます。
しかし酔いからさめると現実にもどり、言ったことをひるがえします。
これはよく見かけること。
ヘミングウェイは、酔った状態で言ったことを酔いからさめても常に実行するようにせよという。
これができる人は、酔った状態でも頭の中はシラフでいることができる人。
一言で言えば、酒は飲んでも頭はしっかりとしている人です。
しかし大概の人は、酔って言った事をシラフでは実行できないわけです。
だから、酔っている時は口をつぐむことを覚えます。
ヘミングウェイの言葉は、酔った状態は酒ばかりでなく他にもあると示唆します。
人間有頂天になっているときは、気持ちが大きくなり、自分は何でもできると思いがちになる。
有頂天のときに言った事を現実に戻ったときに実行できるかというと、どうしてもちゅうちょしてしまいます。
今回のN氏のトラブルから発展したフジテレビ問題は、有頂天になっている人間の事件に対し有頂天になっている組織が対応を誤った出来事に見えてきます。
有頂天にいるときほど、口を閉じて行いを慎むことが必要なのはヘミングウェイを待つまでもありません。
それができないからこそ、ヘミングウェイの言葉が刺さります。
いまや米国大統領さえ有頂天になり、関税で脅したり、マイノリティを差別し、移民を追い出したりする始末。
現実を突きつけられたとき、どう対応するのか関心が湧きます。
有無相生