◆老子小話 VOL
1252(2024.11.23配信)
牛がいなければ飼い葉桶は清潔だが、
豊作をもたらすのは牛の力。
(旧約聖書、箴言14)
今日は、勤労感謝の日です。
勤労の意味を考えさせる言葉を聖書から選びました。
昔は牛を飼って耕作していました。
牛は生き物ですから、牛小屋は汚れ、牛のえさの干草をいれる桶も毎日きれいにしておかねばなりません。
牛を飼うことが重労働の連続です。
牛さえいなければ飼い葉桶はきれいに保つことができる。
しかし、牛がいなければ今手にしている収穫を得ることができない。
勤労して収穫を得るには有形無形の下準備が必要であり、それを惜しんでいては収穫は得られない。
きわめて当然なことをいっています。
勤労で学ぶことは、収穫を得ることだけでなく、自分だけの力だけでなく、他者の力のおかげに感謝することです。
収穫の大きさよりも、収穫を得るプロセスを実感することです。
飼い葉桶を毎日きれいに掃除するのは、働き手の牛に気持ちよく働いてもらう下準備です。
前回富裕層の話をしましたが、この富裕層だって決して、自分の力で富(収穫)得たわけではない。
他者の力を借りて始めて収穫できたわけです。
聖書の言葉は、自分にとって牛とは何なのかを考えさせてくれます。
日ごろ世話が大変な身近なペットであったとしても、ペットがいない日常は考えられません。
その恩恵は何物にも替えられません。
勤労は、牛の存在を含めて成り立つものになっています。
有無相生