◆老子小話 VOL
1244(2024.09.28配信)
子曰、
學而不思則罔、
思而不學則殆
(論語、為政第二)
子曰く、
学びて思わざれば則ち罔(くら)し、
思いて学ばざれば則ち殆(あやう)し。
海外では大谷選手の活躍でドジャーズが地区優勝を果たし、国内では、石破自民党総裁が誕生した昨日でした。
どちらも志を強く持った人間が成し遂げた出来事です。
今回は、論語の為政篇より言葉を選びました。
私も好きな言葉です。
「学んでも考えなければ理解したことにはならない。
考えても学ばなければ危険である。」
学ぶというのは、外から習得することで、いわゆるインプットです。
いくら多くの知識を習得しても、自分の頭で考えないと理解したことにならない。
自民党総裁選前に評論家たちがああだこうだと議論していたのは、関係者から得た知識の受け売りで、聴いていて面白くなかった。
一方、石破新総裁の就任会見は、自分が理解したことを言葉にしていたので、何かやってくれそうな気がしました。
他方、考えるだけで、それを裏付ける知識がないと独断に陥り危険になる。
特に組織の長になると、耳に痛い情報は途中でカットされ、心地よい情報だけが上がってくる。
このように、学ぶもとの情報が制約されるのでは、正しい思考ができません。
総裁ともなると、学ぶにしても、自分から現場に出向いて生の声を聞くようにしなければなりません。
政治家は、結局国民生活をいかに安心安全に近づけたかというアウトプットで評価されます。
今まで考えてきた政策を実行すると、思いもよらなかった欠陥が見えてきます。
そのとき、国民の公平感・納得感を得るためにどのように修正していくのかが石破政治の見ものになってきます。
論語の言葉は、いわゆるインプットとアウトプットの関係を記したものですが、政治家には、国民が何を考えているのかを把握しつつ、インプット・アウトプットの質の向上を図ってもらいたいものです。
有無相生