老子小話 VOL 1226(2024.05.25配信)

Though little fire grows great with little wind,
Yet extreme gusts will blow out fire and all.
Shakespeare) 

 

小さな炎は小さな風なら大きく燃え上がるが、

烈風にあえばあえなく吹き消されてしまう

 

今回の言葉はシェイクスピアの「じゃじゃ馬ならし」よりお届けします。

この言葉の意味は深いです。

まずはじめに、科学的にも真実を言っています。

小さな炎に風を吹き込めば、酸素が余計に吹き込まれるので、燃焼は加速され燃え上がります。

しかし、風が大きくなると、燃焼する物質自体が吹き飛ばされるので、火は消えてしまう。

ロウソクの火を思い浮かべれば明らかです。

一方、小さな炎を野心と考えます。

例えば、野球が得意で将来プロ野球の選手になろうという野心を持つ少年がいたとします。

少年野球チームでは、選手同士の実力が伯仲しているので、野心はさらに燃え上がる。

運よく野球が強い名門校に入ることができ、そこで実力のずば抜けた選手に出会う。

すると実力差がはなはだしいことを知り、野心は一気にしぼんでしまう。

スポーツだけでなく、教育や芸術の世界でも、はたまた恋の世界でも、これは起こりえます。

実力が競っているときは競争になりますが、格段に違うと勝負にならない。

戦争の場合もそうです。軍事力の差が歴然と現れます。

劣勢の側を支援してはじめて何とか戦えるわけで、今の世界では各地でそれが見られます。

シェイクスピアの言葉は、小さな世界から視野を広げて大きな世界を見ようとまず言います。

大きな世界では烈風が吹き荒れるときもあると覚悟する。

小さな炎をどう燃え続けさせるかが問題になる。

最近のビジネスでは、スモール・ビジネスが話題になっています。

事業を始めるとき、いきなり大きな投資をしてもリスクが大きい。

人員も設備も最小限にして事業をはじめ、市場の反応を見て継続するか判断する。

たとえ止めても傷は浅い。

継続しても、烈風に遭わないように規模を拡大せず、顧客の新たなニーズを開拓する。

シェイクスピアの言葉をしっかり胸に抱きしめて、ビジネスを展開する。

自然界の真理を自分の生き方に反映させる、まさに老荘的な言葉といえます。

 

有無相生

 

 

戻る