老子小話 VOL 1201(2023.11.18配信)

子以四教。文行忠信
 (論語、述而第七) 
 
子四を以て教う。文行忠信。

 

今回は、論語より、短くてシンプルな言葉をお届けします。

人間が生きていく上で、一番大事な四つのことを孔子は教えています。

文行忠信です。

文とは、学問により学ぶことです。

今ならインターネットでしょうが、生成AIによりフェイクな情報が飛び交っているのが現状です。

やはり、個人が責任をもって書いた本を読んだり、先生の口から直接学ぶのがよいでしょう。

学んでばかりいて、行動に移さなければ未来は開かれません。

行は、学んだことを実行することです。

行動に移した結果、さらに学ぶこともあります。

忠は、自分に誠実であることです。

心のなかにいつわりがないことで、表面の態度と心のなかの思いと食い違いがないことです。

信は、ひとに対して誠実であること。

江戸時代では、いまの学校である寺子屋で、子供たちに論語を教えていました。

生きる上で大切な教えを、社会に出る前に教えておくことは大事です。

当時の目的は上の者に忠義を尽くすという所にあったのですが、現代に論語を当てはめてみれば、

目上の者に限ったことではなく、他者と人間関係を築く上で大事な4項目となります。

ビジネスを行うとき、マーケット情報集めに注力しても、経営計画を立てて実行に移さなければ、何も進展はありません。

実行に移してみて、計画の至らなかった所が見えてきます。

ビジネスは他人との関係です。

しかし、ビジネスを行う人間の誠実さが、お客様に見えてこないとそのビジネスには乗ってきません。

当然ながら、誠実さがビジネスのやり方に反映されていなければ、いくら本人が誠実であっても評価されません。

ビジネスだけでなく、子供が社会生活を送る学校や、近隣のコミュニティにおいても同じことが言えそうです。

論語の言葉をみていると、他人との関係で成り立つ人間社会の仕組みは、孔子から2500年も経った今も変わっていないようです。

 

有無相生

 

 

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