老子小話 VOL 1192 (2023.09.16配信)

In order to taste my cup of water, 
you must first empty your cup.
(Bruce Lee) 

 

私のカップの水を味わうには、まずあなたのカップを空にしなければなりません。

 

今回は、ブルース・リーの名言をお届けします。

ブルース・リーは、「燃えよドラゴン」で有名になった武術家で数々の名言を残しています。

Be water, my friend.”というのも、老子の「上善若水」につながる名言です。

今回の言葉にも水が出てきます。

カップの水は、道の教えを表します。

道は、自然が私たちに語る、どう生きるべきかの道です。

ブルース・リーは、”Don’t think, feel.”といい、道の教えは頭で考えるではなく、体で感じろという。

頭には、先入観や固定概念が詰まっています。

そんなものはすべて捨て去って、頭(こころ)を空っぽにしなさいという。

そのこころの態勢のことを、あなたのカップを空っぽにするという表現にしました。

ブルース・リーは、宮本武蔵の「五輪書」を愛読していました。

剣術の極意が、一瞬の遅れが命取りになる武術にも参考になるのは理解できます。

こころを空っぽにすることで戦況を体で感じ取る大切さを共有していたのでしょう。

しかし、今回の言葉は武道に限らず、人間関係においても役立ちます。

カップの水は、相手の人間性(ひととなり)と考えることができる。

相手の人間性をあるがままに受け取るためには、自分の中にある先入観や固定概念を捨て去らなければなりません。

第一印象が大事なのも、体で感じる感覚がまず印象を決めるからです。

Don’t think, feel.”と今回の言葉はセットになっています。

今日のネット社会は情報で溢れ、頭が固定概念で一杯になりがちです。

それらを一度リセットして肌で感じないと、道は見えてきません。

 

有無相生

 

 

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