老子小話 VOL 1068 (2021.05.01配信)

我三人行、必得我師焉。

擇其善者而從之。

其不善者而改之。

 (「論語」述而第七)

 

我れ三人行なえば、必ず我が師を得。

其の善き者を択びて之に従う。

其の善からざる者にして之を改む。

 

今回は「論語」からお言葉をいただきます。

「私は三人で行動するなら、そこに自分の

師を見つける。善い人を見ればお手本とし、

善くない人を見れば善くない所を改める。」

この言葉を読んで、反省する所は多い。

夫婦と子供という家族を考えます。

この三者が三位一体であることを教える言葉です。

つまらないことで言い合いになる夫婦げんかを

子供の眼から見ると、悪いお手本そのものです。

あんな馬鹿なことはしたくないと思うようになる。

一方、子供から優しい言葉をかけられると、親は

その親切心のありがたさを子供から学ぶ。

親も子供も互いの師になっている関係が家族だと

気づかせる言葉です。

ということは、いいお手本ばかり見せてもダメで

たまには悪い手本も見せないと、人間の本質を

見誤らせます。

聖人孔子も仕官できない身の上を弟子の前で嘆き、

弱音を吐く場面も出てきます。

結局苦しい場面をどう乗り切るかで人間の真価が

問われることになります。

孔子の理想は現実にはなりませんでしたが、その

教えは人生の各場面で今も生きていることは確か

です。

 

有無相生

 

 

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