老子小話 VOL 1046 (2020.11.28配信)

子曰、学而不思則罔、思而不学則殆。

(論語、為政第二)

 

子曰く、学びて思わざれば則ち罔し、

思いて学ばざれば則ち殆し。

 

今回の言葉は論語から選びました。

「学んでも自分の頭で考えなければ、

ものごとはまだ見えていない。

自分の頭で考えるだけで人から学ばなければ、

独断に陥り危険である。」

この言葉が為政つまり政治を行なう場合の

要点としていわれる所に注目したい。

政治家が、諮問会議で専門家の意見を聞くのが、

学ぶこと。

意見を聞いて、何が国民の幸せに繋がるのか

自分の頭で考えないと問題の本質は見えてこない。

忖度する取巻きの意見に左右されていては、

政治家の資格がない。

一方、自分の頭だけを信じて、人の意見を度外視

すれば、様々な視野を自分で狭めてしまい、独裁

となる。

日本や米国での政治の状況を見ていると、孔子の

この言葉は身につまされる。

大統領選挙の不正を思い込み、学ばない米首相。

コロナ感染拡大を学んでも、GOTOキャンペーンとの連関を

頭と膚で考えない日本首相。

しかし孔子の言葉は政治を超え、国民への警鐘となる。

コロナの怖さを学んでも、無症状の自分が移動中に感染

させる可能性を考慮する必要もある。

GOTOキャンペーンに参加することは格別の注意を要する。

コロナの怖さにとらわれて自粛を続けると、社会生活が

成り立たなくなる。

感染対策をしつつ、粛々と社会生活をおくるしかない。

どのような感染対策が有効か他人から学び、自分には何が

出来るかを考えなくてはいけない。

論語は、知識の受け売りではなく、自分に合った対策を自分

で考え実行することだと教える。

老子なら、コロナ危機にどう立ち向かえと教えるだろうか?

まずは、危機が過ぎ去るまでじっと待てというでしょう。

次に、外からの無駄な情報は切り捨て、自分の本能に従って

行動せよと教えるでしょう。

体調が悪いときは外出せず、よい時には自然の中に身を置き、

体の気を養うことを進めるでしょう。

頭の中には意識と無意識の領域があり、無意識の領域の知恵

は決して自分を欺かないという教えです。

 

有無相生

 

 

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